過去の挨拶
2021年 麻妻総領事の挨拶
この度、在フランクフルト日本国総領事として着任いたしました麻妻信一と申します。どうぞ宜しくお願い致します。
ドイツでの勤務は2006年8月までの在ドイツ日本国大使館での勤務以来15年ぶりとなります。音楽、文学、スポーツなどドイツの文化には以前より慣れ親しんでおり、今回ドイツに再び勤務できることを大変うれしく感じております。
当館はヘッセン州、ラインラント=プファルツ州、ザールラント州の3州を所管していますが、この3州の日系企業数は約300社、在留邦人数は約6500人以上に上り、日本と密接な関係にあります。総領事館として、こうした状況の下、日独間の文化・経済交流のさらなる発展に取り組むとともに、在留邦人・日本人旅行客の方々の安全確保にも努めて参ります。特に新型コロナウイルス関連情報をはじめ、在留邦人の皆様に対する迅速な情報発信・サービスの提供に心がけて参ります。
ドイツと日本は、文化・学術面で深い交流関係を築いてきましたが、政治・外交分野でも、民主主義や法の支配といった基本的価値を共有する重要なパートナーです。また、経済面では自由貿易を前提とした、相互に信頼できる貿易相手・投資先となっています。
本年は、日独交流160周年という記念すべき年であり、これまで築いてきた関係の更なる発展へのよい機会となります。残念ながら、新型コロナウイルスの影響により、関連の行事を開催できない状況が続いていましたが、本夏、当地で緩和措置が実施されることとなり、徐々に行事実施の見通しが立つようになりました。今後も一つでも多く、日本文化や日独交流について紹介できる機会を実現し、更なる日独交流の促進に努める所存です。
コロナ渦の困難な状況が改善し、様々な交流・往来が再開できる日が一日も早く来ることを祈念しつつ、一つ一つの課題に誠心誠意取り組む所存です。どうぞよろしくお願い致します。
2021年 河原総領事の挨拶
2018年 河原総領事の挨拶
はじめまして。この度、在フランクフルト日本国総領事として着任いたしました河原と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。
外務省に入省してから、外交官研修としてハイデルベルグ大学に2年間(1987年夏から89年夏まで)留学させていただきました。その後、東京での勤務の他、スイス(ジュネーヴ)、フランス(パリ)、オランダ(ハーグ)など、欧州各国で勤務する機会を得ましたが、ドイツでの生活は実に29年ぶりとなります。
ドイツと日本は言うまでもなく、文化・学術面で極めて深く長い交流の歴史があり、また、政治・外交分野でも民主主義や法の支配といった基本的価値を共有する大変重要なパートナーとなっています。経済面でも、自由貿易の重要性を唱えつつ、相互に信頼できるかけがえのない貿易相手・投資先となっていることは皆さんご存じの通りです。
在フランクフルト総領事館では、ヘッセン州、ラインラント=プファルツ州、ザールラント州の3州を所管していますが、この所轄3州だけでも約290社の日本企業、約6000人の邦人の方々が活動しておられます。このことは、いかに日本との関係が緊密であるかを物語っていると思います。
総領事として、まず、できるだけ多様な分野の方々に直接お会いして、「ドイツの今」をきちんと理解し、様々な分野での相互理解と交流の強化、協力関係の促進に着実に取り組んで参りたいと考えています。これから様々な場所を訪れ、多くの方々にお会いしてお話を伺い、率直な意見交換や共同の活動ができることを大変楽しみにしています。
また、総領事館として最も重要な役割の1つが、在留邦人・日本人旅行客の方々の安全確保を含む利益の保護です。特に、近年欧州各国ではテロの脅威が高まっており、適切な情報収集・予防策と緊急対応準備が必須となっています。この面では、在留邦人の方々との危機管理意識・情報の共有や連携が極めて重要となり、在留邦人の方々やドイツの関係当局との協力関係を是非促進していきたいと考えています。
ドイツとの交流・協力関係の強化、在留邦人の方々の利益の保護のいずれの分野についても、「敷居の低い総領事館」をモットーに一歩一歩取り組む所存です。どうぞ宜しくお願いいたします。
2015年 神山総領事の挨拶
読者の皆様へ
この6月末に在フランクフルト日本国総領事として着任しました神山武(かみやまたけし)です。私は、昭和54年の外務省入省後、ハンブルク大学における研修を経て、当時の西ドイツの首都ボンの大使館に経済担当官として2年間初めての在外勤務をしました。その後、スイスやオーストリアといった欧州ドイツ語圏の勤務を重ねましたが、ドイツにはこの度、実に31年ぶりに戻ってきたこととなり、新鮮な気持ちと緊張感をもって毎日の業務に取り組みたいと思っています。
当館は、ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州、ザールランド州を管轄していますが、この地域に暮らす邦人の方々が安心、安全に生活を送ることができるよう領事サービスの更なる向上を目指していきます。と同時に、既に当地に展開する約240社の日本企業とこれから当地進出を目指す日本企業へ可能な支援を行うことや、日独の文化交流や市民交流にも力を入れていきます。
当館が位置するフランクフルトは、ドイツ及び欧州における交通の要衝として、また、欧州中央銀行を有する金融の中心地として、更には860年以上の歴史を誇る世界最大規模の見本市の街として、欧州全体を視野に入れたダイナミックなビジネス拠点として注目度を高めています。基本的価値を共有する日独関係も大変良好で、当地においても多くの市民が姉妹都市交流や青少年交流を行っています。特に、今年は青梅市とボッパルト市が姉妹都市交流50周年を、下野市とディーツヘルツタール市が交流40周年を迎えるなど、長きにわたり双方が活発に交流を続けていることを嬉しく思います。
こうした中で、両国の友好関係が益々発展するように、当館館員も一体となって働いていく所存です。また、皆様からもご理解とご支援を頂ければ幸甚ですので、当館ホームページにもコメント、提案等がありましたら、お寄せ頂くよう併せてお願い致します。
2015年 坂本秀之総領事の新年のご挨拶
読者の皆様へ
新年あけましておめでとうございます。そして、当館ホームページに、ようこそ。
昨年を振り返りまして、日本と私の管轄州の間の関係がさらに深まった実りある1年であったと実感しております。まず、昨年2月には、当地フランクフルト・メッセの国際消費財見本市(アンビエンテ)において、日本がパートナー国となり、多くの日本企業が参加しました。会場では、日本のデザイン商品への高い関心が伺われました。また、日独経済関係においては、8月にエーベルバッハ修道院において、アル・バジール・ヘッセン州経済大臣の招待により当地日系企業関係者との夕食懇談会が開催され、当地における交通の要所としてのメリットを生かしたビジネス展開の可能性等について率直な意見交換が行われました。さらに、10月にはヘッセン州議会において、日独経済シンポジウムを開催し、カルトマン・ヘッセン州議会議長及びアル・バジール同州経済大臣の出席の下、今後の日・ヘッセン州の経済協力関係の強化につき話し合いました。
また、文化交流、姉妹都市交流をはじめとする各種人的交流は、相互理解を更に促進する上で極めて重要であり、昨年もいくつかの姉妹都市関係が記念すべき年を迎えましたことを大変喜ばしく思います。さらに、当地においては、世界最大の日本映画祭であるニッポン・コネクション、日本デー、若者文化愛好家の集まりであるコンベンションや書籍見本市における全独コスプレ選手権大会の開催等、多くのドイツの方々が毎年ボランティアで日本関連文化行事に参加しており、我々としても大変有り難く思っております。また、このような日本関連のプラット・ホームを活用し、若者をはじめ、日本からの多くの人がこのような行事に参加し、交流の輪を広げていくよう期待しています。
フランクフルトは、ドイツおよびヨーロッパにおける交通の要所として、我が国との間で多くの人が往来しております。また、欧州中央銀行をはじめとし、欧州における金融の中心地として、また主要な化学産業等が集積する地域であると同時に世界中から人が集まる見本市の街として、欧州全体を視野に入れたダイナミックなビジネス拠点でもあります。日本の方々も、観光、ビジネス、学術、文化等、様々な目的で当地を訪れており、当地周辺には、約5千人の日本の方々が居住している他、約230社の日本企業が当地に事務所を置き、ビジネスを展開しています。
今後とも、当地の交通の利便性を活用し、両国の多くの人が互いの国を訪問し、日独交流が一層活発化するよう強く願っています。また、皆様からの当館ホームページへのコメント、提案等ありましたら、歓迎いたします。
年頭にあたり、皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
2014年 坂本秀之総領事の天皇誕生日レセプション挨拶(和訳)
本年もまた多くの皆様にお越し頂きましたことに感謝申し上げます。天皇陛下は12月23日に今年81歳の誕生日を迎えられます。
年の暮れが近づき、今年1年間の当館の活動を総括する良い機会ですので、以下のとおり簡単に紹介させていただきます。今年は、フランクフルト・メッセのアンビエンテにおけるパートナー国に我が国が選ばれたことに始まりましたが、このメッセにおいては経済と文化の融合という興味深いテーマのもと、多くの日本企業や著名なデザイナーが大勢の来場客にそれぞれの商品を紹介することができました。我々にとっても、当地メッセとの結びつきを強める良い機会となりました。
経済分野においては、日本とヘッセン州の間の対話が進められた他、10月には州議会において、カルトマン州議会議長及びアル・バジール経済大臣の出席の下、日独経済シンポジウムを開催いたしました。さらに、本年は、ホテル業界、化学分野等において我が国からヘッセン州へと新たな投資が行われ、全体的に我が国の対ヘッセン州投資は着実に増加しておりますが、双方の潜在力に鑑みれば、今後相互協力をさらに強化していく余地はあるといえるでしょう。
アベノミクスと呼ばれる日本の経済政策は、雇用や企業収益の改善を中心に順調に成果を上げつつあります。他方、消費税率引き上げが個人消費を落ち込ませ、さらなる引き上げは見送られることになりましたが、近日行われる衆議院選挙においては、日本の経済、財政政策の進むべき方向を決めるべく、経済再生へ向けた新たなステップとなることが期待されます。
文化面においては、工芸博物館をはじめとする多くの博物館で日本関連の展示が行われた他、恒例となっているニッポン・コネクション映画祭、フランクフルト独日協会主催の日本デーなど、様々な催しが行われました。
また、文化関連では、今年叙勲を授与された当地音楽大学のライナー・ホフマン教授、さらに外務大臣表彰を授与されたヘッセン州剣道連盟会長のウーヴェ・クンプ氏にこの場を借りてお祝い申し上げます。
さらに、今年の空手世界選手権で優勝したヤスミン・ブロイル女史とゾフィー・ヴァハター女史のお二人にも心からお祝いを申し上げます。お二人は、今年ブレーメンで開催された世界選手権において、型の団体部門で日本のチームにも勝利いたしました。
この夏、自らも俳句を趣味とする当時の欧州評議会議長ヘルマン・ファン・ロンプイ氏の後援のもと、第5回日EU俳句コンテストが開催されました。600通を上回る英語による応募作品の中で、ラインラント・プファルツ州出身のロベルト・ロンメン氏の作品が最優秀賞に選ばれました。本日ロンメン氏をこの場にお迎えできたことを嬉しく思いますとともに、多くの英語を母国語とする国からの応募の中で彼の作品が最優秀賞に選ばれたことは、非常に素晴らしいことでした。
日本とドイツは長い歴史をもつ伝統的な関係にあります。特に市民交流は両国関係をより豊かなものにしており、今年、リンデン・蕨、バード=ゾーデン・養老町の各姉妹都市関係が周年を迎え、また来年はトリアーとボッパルトがそれぞれ日本の都市と周年を祝うことが出来ることを嬉しく思います。今後、特に青少年交流をはじめとする様々な市民交流がさらに発展することを祈願いたします。
最後に、フランクフルト市、ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州及びザールランド州政府の皆様の本年のご協力に感謝申し上げますとともに、今後双方の関係がさらに発展することを祈念いたします。
出席の皆様とご家族の良きクリスマスと新年を願い、私の挨拶とさせて頂きます。
(天皇誕生日祝賀レセプション開催についての報告はこちらでご覧になれます。)
2011年夏 重枝豊英総領事の挨拶
フランクフルト市そしてヘッセン州、ラインラント・プファルツ州並びにザールラント州にお住まいの日本の皆様、そしてドイツの皆様にご挨拶申し上げます。皆様方より当館の活動に対して日ごろ多大なご理解、ご支援を賜り心よりお礼申し上げます。
日本では本年3月、大地震と大津波そして原子力発電所の事故が発生しました。未曾有の大地震、大津波により東北地方では極めて多くの方が亡くなり、多くの住居、施設等も大きな被害を被りました。多くの行方不明の方の捜索等は依然懸命に続けられており、避難生活を過ごされている方々も沢山おられます。あらためて東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の方々に対し心よりお見舞いを申し上げます。大震災以来日本では政府、国民一丸となって被災者の支援、被災地や被災施設等の復旧、復興に懸命に取り組んでおり、また、ドイツでも日本へのお見舞いや各種の支援活動が官民をあげて行われてきています。当地の日本人の方々よりも、多くのお見舞いや支援が寄せられています。こうした皆様方の友情と御支援は日本とドイツを結ぶ貴重な絆であり心よりお礼申し上げます。
こうした中、今般ドイツで開催された女子サッカー・ワールドカップで日本代表が見事優勝いたしました。日本代表チームなでしこジャパンはフランクフルトで準決勝、決勝を戦いましたが、その多忙な日程の合間を縫って当館総領事公邸を短時間訪問され、公邸に掲示された「頑張れ日本、頑張れ東北」の横断幕を皆で掲げて、東日本大震災の被災者の方々、被災地に対する心からの応援を一緒に行いました。決勝戦は大変厳しいものでしたが試合を通じて見られた選手の不屈の頑張りと礼儀正しいマナーは、大震災の困難に毅然と立ち向かう日本国民の姿を想起させた感があり、優勝を勝ち取ったなでしこジャパンに対し、試合スタジアムはチーム、国籍を越えて感動と賞賛の拍手で埋められました。日本女子サッカーチームの快挙は日本の国民にさわやかな感動を与え、社会に明るい希望を与えたと思います。日本女子、そして日本国民のご努力、ご活躍を心の底から誇りに思います。
東日本大震災の発生により、ドイツではエネルギー政策の急速な転換の動きが生まれる等、世界的にも色々な影響が見られました。震災からの復旧、復興の道のりは決して平坦でないと思われますが、ドイツの日独市民は日本の復旧を願い、引き続き日本を応援し日本の努力を支援していくものと考えます。
被災地の一日も早い復旧と復興、そして元気な日本の復活、発展を心より祈念いたします。
2011年1月 重枝豊英総領事の挨拶
2011年の新しい年が始まりました。フランクフルトで2回目の新年を迎えます。
ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州の日独市民の皆様、そして日本の皆様、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
近年の金融経済危機で欧州の国々は大きな困難を抱えましたが、その中でドイツはいち早く経済の回復、発展の道を辿っております。他方、日本経済は復活の基調にあるものの未だ楽観は許さない状況にあるようです。当地日系企業の皆様にとっても、一般に厳しい景気状況は脱した感はありますが、今後の先行きには慎重な見方も拝見されます。
昨年は領事、広報文化活動、経済交流等関係業務に引き続き一生懸命取り組みましたが、その中でも日独の地域・地方交流に進展が見られたと思います。昨年3月、ヘッセン州首相による大阪訪問、そして6月、大阪府知事によるヘッセン州、フランクフルト訪問が行われました。双方の自治体の首長にとり大阪、ヘッセン州は初めての土地でしたが、相互の親交を深め、地域交流、経済交流等に向けて貴重なステップが築かれました。同年末には大阪、関西地域とライン・マイン地域の企業、経済団体の経済交流が実施されました。このほか当地を訪れる日本の色々な地域の自治体首長や官民関係者の方々からもお話をお伺いし、日独交流、特に地域・地方の交流促進について意見交換を行いました。日本全体の活性化のためには地方・地域の活発化、元気回復が大切と考えていますので、国際交流を通じて日本の地方が改めて元気を取り戻すよう今後とも地域・地方交流を応援したいと思います。文化交流についても従来の行事活動に加えて日独市民の方々の積極的なボランティアのご協力も頂きつつ日本文化の広報・紹介等を活発に行いました。また、都市交流でも横浜市とフランクフルト市の友好関係の構築の動きが本格化しました。
そして、今年は日独交流150周年にあたります。1861年に友好修好通商条約が結ばれて以来日本とドイツの交流は150年目を迎えました。日本とドイツはこのように長年にわたる友好関係を維持しており、今日、世界有数の先進国として二国間関係では互いに学び合う間柄であり、また、世界的には相互に連携・協力してグローバルな諸問題の解決に取り組むべき大きな地位と責任を有する国家同士という関係にあると思います。本年、日独交流150周年を記念する色々な行事が日本とドイツの双方で開催されます。ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州の各地で州や関係自治体、大学、独日協会そして市民グループ等の連携、協力により日本週間や各種の日独交流行事が沢山行われます。また、11月初旬、フランクフルト市のホストによりジャパンウイークが開かれます。この行事は日本から来訪する参加者約1500名が見込まれ、ドイツ市民と日本市民の新たな交流の機会としては150周年関係行事の中でドイツ最大のイベントになると思われます。日独交流行事への皆様のご参加、ご協力を心よりお待ちしております。
2011年、本年が150年の長きにわたる日本とドイツの交流を改めて振り返る機会となり、両国関係のより良い未来への出発点となりますよう心より祈念いたします。
2010年6月 重枝豊英総領事の挨拶
フランクフルトの日本の皆様、ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州そしてザールラント州にお住まいの日本の皆様、こんにちは。日の長い夏の陽気となりました。皆様お仕事に、ご家庭にそして余暇に充実した毎日をお過ごしのことと拝察いたします。
日本では、7月11日に第22回参議院議員通常選挙が行われます。既にご案内の通り、在外公館投票として6月25日~7月4日、当総領事館に投票所を設置いたしております。日本の国政選挙です。国民の皆様の大切な一票を是非行使頂くよう心よりお願い申し上げます。
ドイツでは5月に連邦大統領の辞任表明がありました。連邦議会では財政再建等政治経済等の諸課題について議論が行われています。州政治の分野では5月末にコッホ・ヘッセン州首相の辞任表明があり同州の連立与党は同首相の後任候補を選出しました。ドイツ経済はアジアをはじめとする世界経済の成長を背景に輸出及び設備投資が回復し今後も回復基調は継続の見込みです。上記三州もドイツ全体同様に回復基調にあります。日本では菅直人総理大臣が就任し新内閣が発足しました。日本経済は世界経済の回復に加え緊急経済対策もあり2010年春を境に景気は拡張局面に入り今後は自律的回復に向かうことが期待されます。
日本とドイツの地域・地方交流の分野では、3月、コッホ・ヘッセン州首相が経済ミッションとともに日本を訪問し東京で岡田外務大臣を始めとする政府要人との会談や関係経済団体との会合等、大阪では橋下大阪府知事との会談や関西経済連合会とのセミナーを行いました。また、6月には橋下大阪府知事がドイツを訪れコッホ首相等と地方分権等に関する意見交換及びドイツの企業や教育現場の視察を行いました。
この間、私は経済交流・企業支援の分野では担当地域内の日系企業約60社を訪問しお話しを伺いました。近年の厳しい経済不況をようやく抜けて景気は回復基調にあると感じるそうですが業種によってはまだ楽観視出来にくい状況とのご意見もありました。広報文化活動の面ではザールラント大学で日本の若者文化に関する講演を行った他、フランクフルト大学学生に対してお茶会のデモンストレーションを行いました。ドイツのギムナジウムで日本について講演する教育広報もこれまで通り活発に取り進めています。オッフェンバッハ市では当館後援による源氏物語の押し絵展がお茶会と連携して開催されました。
このほか日本との姉妹都市や友好協力関係にある各都市を訪問し明2011年の日独交流150周年に際しての連携協力の可能性等について意見交換や協議を進めています。
今回も大阪、奈良、横浜の広報関係資料そして上野焼き(福岡県)の新たな作品を写真に掲示させて頂きました。特に今回は先般日本に関する作文コンクールで優秀な成績を収め日本を訪問したドイツ人の女子高校生の方がホームステイ先の奈良県で体験制作した赤膚焼きのカップを紹介させて頂きます。作品はハート形のカップで国籍を越えた若い人々の新鮮な感性に日本の伝統工芸の産地でも高い賞賛が寄せられたそうです。当館を活用して海外への情報発信を強化したいと考えられる地域、地方や産地等は少しずつ増えており心強く感じています。今後とも日本とドイツの地域・地方交流の促進を応援させて頂くべく一生懸命取り組んで参ります。
2010年春 重枝豊英総領事の挨拶
2010年、皆様お元気に新しい年をお迎えになったことと拝察致します。
2009年は日本、ドイツともに世界的な金融不況、経済不況の厳しい年でした。
景気は最も厳しい時期を脱した感がありますがなお慎重な見通しが求められています。他方、両国共に新しい政権が発足しそれぞれ国家運営に全力で取り組んでいます。景気対策、少子高齢化、環境問題等日独共通に抱える課題は多く、両国が協同、連携して取り組む事柄もますます増えて行くと思われます。
当地フランクフルトに着任して約半年が過ぎました。この間、担当の各州、関係都市を訪問し各地の状況を勉強しました。当初着任の挨拶において領事活動、経済交流支援、文化交流そして地方支援等に特に仕事の重点を置きたいと申し上げました。領事業務はその内容は多種多様であり継続的で地道な取り組みを要する事項も多く、かつどれをとってもおろそかに出来ない仕事でした。領事が現地を訪れ、現場で働く機会も多いのですが、邦人の皆様の喜ばれる姿は私たち総領事館の士気を高める最大のエネルギー源です。
経済分野では特に両国間の地方・地域レベルの交流促進支援に取り組みました。例えば、 昨年末大阪・関西の産業界等と当地の企業・経済団体の交流セミナー等を開催しました。これまで関係の薄かった地域経済同士の間に相互への関心と交流に向けた動きが始まったと考えます。また、日本食文化のドイツ進出を視野においた活動を支援しました。本年はこうした分野で一層の進展が期待されると思います。総領事館の担当する地域で活躍される日系企業は200社を越えますが、これまでに約40社を訪問し会社の状況、活動等についてお話を伺いました。現地と共存し厳しい景気の中で痛みを伴う努力、工夫も重ねて積極的な企業運営を展開しており、凛としたその経営姿勢に改めて敬意を表しました。
文化交流では独日協会や姉妹都市等とも連携協力して日本の伝統、現代文化の紹介・広報など色々な活動を行いました。また、既存の行事の主催、後援活動等に加えて新たに両国の市民の主体的なご協力、参加を得た文化活動も企画実施する等日本文化発信に一層能動的に取り組むよう努めました。文化活動に際しては日本、日本人の持つ価値観、行動様式、特質等いわゆる日本の精神文化を紹介することも心掛けました。2010年はこうした活動を一層深化させ、また、文化・広報対象者層の更なる拡大に取り組みたいと考えます。
明2011年は日独交流150周年にあたります。両国の長い友好の歴史を記念し、未来の一層の関係発展を祈念して日独双方の地で沢山の行事が行われる予定です。当地でも色々な行事が検討されていますが、日独の皆様のご理解とご協力を頂けるならば大変豊かで意義深い年を迎えることが出来ると考えます。皆様とご一緒に歩ませて頂ければ大変幸甚です。
2010年、総領事館は領事活動、日独関係強化等に一層努力して参ります。今後とも日独の皆様のご理解、ご支援を宜しくお願い申し上げます。
本年は日本では奈良遷都(西暦710年)1300年にあたります。日本の地域・地方の海外発信の支援は当総領事館として積極的に取り組みたい分野の一つです。日本の歴史と文化の歩みの意義深い道標とも云えるこの2010年に多くの外国の方が日本を訪問し奈良の魅力に触れることを願ってやみません。今回の写真では奈良の紹介を始めとして、これまでご縁のあった地域として大阪(人形)、横浜(マスコット人形)、そして伝統的工芸品に指定されている「上野(あがの)焼き」の茶碗(福岡県)を紹介させて頂きました。
2009年9月 重枝豊英総領事着任時の挨拶
在フランクフルト日本国総領事館のホームページへようこそ!
フランクフルト市、ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州並びにザールランド州にいらっしゃる日本の皆様、そしてドイツの皆様こんにちは。わたくしはこのたびフランクフルト総領事館に着任した重枝豊英(シゲエダ・トヨエイ)と申します。
フランクフルトは世界的な金融・証券の街そして欧州有数の空港を抱える現代ビジネス都市として知られている一方、日本の京都にも比肩する長い歴史を誇る街であり、また文豪ゲーテの街としても名高い町とお聞きします。こうした貴重な都市、地域を担当する総領事館で働く機会を頂いたことは大変光栄です。
日本とドイツは国際社会において価値あるパートナー関係を有し、二国間関係でも政治、経済、文化等各般の分野で良い関係を維持しております。当総領事館ではこうした日独関係全般の維持発展にも寄与すべく、領事、金融・経済、文化等当館の担当する分野においてフランクフルトを含むドイツ三州と日本の良好、緊密な関係の増進に取り組んで行きたいと存じます。
そして、そうした業務を行っていく際には特に以下の点に心掛けたいと考えます。
まず、領事業務は総領事館の基本であり今後とも大切にして参ります。特に邦人の方々の安全、安心は最優先の事項であり引き続き一生懸命に取り組む所存です。その点で、邦人の皆様の在留届は総領事館が邦人保護、在外選挙等諸業務を適切に行うための基盤といえますので、当地域入居の際は在留届を提出し、帰国等に際してはその旨を当館までご連絡頂けますよう宜しくお願い致します。
つぎに、民間企業等の経済活動、経済交流の促進を一層応援したいと考えます。フランクフルトを初めとして当館の担当する地域には沢山の日系企業が活躍しています。世界的な不況が続く厳しい経済情勢の今日ですが、その中で不断の努力を続けしっかり頑張っておられる企業は少なくありません。企業の方々のこうしたご努力に深く敬意を表すると同時に、例えばビジネスマッチングや商取引、さらには日本への企業誘致等の投資活動への応援など当地日本企業及び日本がドイツ等との経済交流や取引等を推進するに際しての支援、協力をより一層効果的に行えるよう努力していきたいと思います。
また、文化交流や広報活動等に際しては日本そして日本人の特質や長所を紹介し、広報するという意識をもって取り組みたいと思います。今日、日本食や伝統的な美術、建築、芸能などの「和」の文化は世界で高い評価や関心を呼んでいると思いますが、こうした日本の文化には現代文化も含めて日本固有の習慣、マナー、意識或いは考え方というものが反映しておりそうした精神的要素が日本文化の特質、エッセンスを構成していると考えます。文化交流の目的には様々ありましょうが、このように日本として世界に示し得る精神文化を海外に宣伝普及し、日本、日本人への理解、敬意を一層広める努力は大切なことと考えます。特に、国際環境の変化につれて日本の国際的な地位、立場も変転する可能性がある今日において、こうした日本のソフト面の強みが一層発揮されることは日本が優れたアイデンティティを持つ国として引き続き世界の中で所要の位置、役割を維持して行くためにも大切な事ではないかと考えます。
最後に、とても大事にしたい点ですが、こうした業務を行うに際してはできる限り日本の地方、地域を大切にして行きたいと思います。私はフランクフルトに来る前に大阪府に2年間勤務する機会を頂きました。多くの同僚、友人たちに恵まれ大阪、関西の素晴らしさを経験しましたが、同時に、経済の不況等の中で自信を失いかけている大阪・関西の元気を取り戻したい、大阪、関西の以前の賑わい、発展を取り戻したいとの声が至る所で聞かれました。大阪、関西をめぐるこうした状況は日本の多くの自治体、地域でも見られるのではないかと思います。地方は国のもといと考えます。地方の元気は国の元気、地方が疲れていると日本全体も元気がなくなり、地方が発展すれば日本も発展していくものと考えています。そうした点から当館は地方自治体が海外と行う経済交流や文化交流などについて積極的に支援、協力させて頂きたいと考えます。地方の元気作りと発展に少しでもお役に立れば幸甚です。
今回のご挨拶の写真ではご覧の通り大阪を応援する意味で大阪関係の法被と卓上幟りを飾りました。また、卓上に日本の伝統的工芸品である「箱根寄せ木細工」の作品を展示いたしました。日本の地方文化を担う工芸品であり、日本の優れた伝統文化の一つとして紹介させて頂きました。今後とも地方や地方の伝統文化を応援させて頂きたいと存じます。
以上、当館の活動につき紹介させていただきましたが、総領事館の業務が円滑、効果的行われるためには皆様方のご理解、ご協力を頂くことが極めて大切と考えます。今後ともご理解、ご協力を宜しくお願い申し上げます。