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医療機関

 ドイツの衛生状況や医療レベルは、日本と同等かそれ以上に良好で安心して日常生活を送ることができます。それでも大病や急病、大怪我をした時には、日本の医療制度との違いや言葉の問題からとても不安な気持ちにります。そこで現地で医療機関にかかる時に、知っていればお役に立ちそうな情報をいくつか紹介させていただきます。

1.かかりつけ医について

病気やその他の健康上の問題が生じた時には、まずかかりつけ医に相談することになります。子供の予防接種も日本のように自治体や学校での集団接種の制度はなく個別にかかりつけ医と相談してお願いします。かかりつけ医の選定にあったては、周辺の評判を尋ねながら近所の総合医(Allgemeinmedizin)や内科医(Internist)にお願いする方が多いです。お子さんが小さい場合は別途小児科医(Kinderarzt)をかかりつけ医にする方もいます。急病の時にも時間内であれば対応していただけますが、受診したい時は事前に連絡し予約を取る必要があります。

言葉に不安がある場合は日本語で対応してくれる医師や日本語通訳サービスを提供しているクリニックを利用することも選択肢になります。領事館からは個別のクリニックをご紹介することはしていませんが、欧日協会が発行している「フランクフルト生活便利帖」や週刊「ニュースダイジェスト」紙などに日本人が良く利用しているクリニックが紹介されています。

2.専門的な治療が必要な場合

目・鼻・歯・皮膚など明らかに自分で判断がつく場合は、直接専門医のクリニックに予約を取って受診します。内臓疾患や外科などの専門医の診断や治療が必要な時はかかりつけ医から紹介していただくとスムーズに予約を取ることができます。日本と違って、直接大きな病院に行っても(紹介状と予約が無いと)診察を受け付けてもらえません。
 妊娠中の産前定期検診は、婦人科クリニックでお願いしますが、出産は別途病院や助産院を予約する必要があります。プライベート保険を日本の海外旅行者もしくは赴任者保険でカバーされている方は、妊娠と出産、それらに関連する合併症については免責になっている場合がありますので、経費の負担に関して確認が必要です。

3.急病時の対応

まずかかりつけ医に連絡を取ってみましょう。夜間や休日等の時間外にも対応していただけるかどうか事前に確認しておかれると良いでしょう。
 時間外に対応していただけない場合は、その地域の時間外外来や救急サービスを利用することになります。これらは自治体ごとにサービスが提供されていますので、お住まいの近くの時間外診療所の所在地や受付時間帯についてあらかじめ調べておくことも大切です。かかりつけ医から教えていただくのが確実ですが、地元のイエローページやインターネット(下記6.関連情報サイト参照)でも検索できる場合があります。

ここでは一例としてフランクフルト市で受けられる救急医療サービスのいくつかをご紹介します。

A) フランクフルト市救急診療所(Ärztlicher Bereitschaftsdienst Frankfurt)

フランクフルト市は救急体制として、24時間コールセンターと時間外救急診療所を提供しています。
・24時間コールセンタ(Telefonzentrale): 069-19292
下記2つの救急診療所の受付を兼ねています。必要であれば医師の往診を仲介手配してくれます。

・Bürger病院内救急部(Ambulanz Bürgerhospital)
住所:Nibelungenallee 37-41、60318 Frankfurt

・Galluswarte救急診療所(Ambulanz im Ärztehaus Galluswarte)
所在地: Mainzer Landstraße 265、60326 Frankfurt
時間帯:
月・火・木(18時ー24時)
水(13時ー24時)
金(14時ー24時)
土・日・休日(0時ー24時)

B) 小児科時間外救急

・大学病院小児科救急部(Uni-Klinik)
連絡先:069-63017170
所在地:Haus 32、Theodor-Stern-Kai 7、60596 Frankfurt
時間帯:
水(16時ー20時)
金(18時ー22時)
土・日・休日(9時ー20時)

C) 歯科時間外救急

・大学病院歯科(Uni-Klinik)
連絡先:069-63015877
所在地:Haus 29a、Theodor-Stern-Kai 7、60596 Frankfurt
時間帯:
月~金(17時ー23:30)
土・日・休日(8時ー23:30)

4.救急車の利用(有料)

緊急の場合は、ためらわずに救急車(電話番号:112)を依頼します。(通常はドイツ語対応ですが、英語を解する担当者もいます。)現住所、電話番号等の最低限必要な情報と、症状の経過を簡潔に説明してください。真に緊急の場合はオペレーターの判断で、ドクターカーが出動する場合もありますので状況説明は非常に大切です。
現場に到着した救急隊員が再度センターと連絡を取り合って搬送先を決めるので、適切な病院へ運んでもらうためには落ち着いて、いつからどのような症状があるのか、また既往症や常用している薬等があればそれらも簡潔に伝えてください。公的疾病保険又は民間疾病保険のいずれを利用するのか、についても聞かれます。
搬送に際しては、家族であっても患者以外は救急車への同乗を許されないので、自家用車かタクシーで追いかけることになります。身分証明書、現金、クレジットカード、保険証書などを忘れず持参してください。
緊急かどうか判断に迷うときは、先に紹介したフランクフルト市24時間コールセンターに連絡し、医師の往診を依頼することもできます。医師の診察を受け適切な処置と救急搬送の要否を判断してもらえます。また大抵の医師は英語を理解しますので、言葉の上でも安心です。

5.支払いのトラブルについて

最近医療費の未払いについての苦情が現地医療機関から寄せられています。大抵は引越しや転勤・帰国時に連絡が取れなくなるケースです。プライベート疾病保険の場合、医療費の請求は後日郵送されてきます。ついうっかり忘れていたり、行き違いになっているケースがほとんどですが、請求書は何度も再発行(その都度課金されます)されます。近く住所変更の予定のある場合はあらかじめ新しい連絡先を伝えたり、代理人を立てたりすることでこのようなトラブルを避けることができます。

6.関連情報入手先